On photography

— B.C. —

写真術が発明され王侯貴族以外も自らの肖像を所有することが可能になり、かつて貴族が競って画家を呼び寄せパトロンとなり肖像画を描かせたように、ブルジョアジーは競って写真師のレンズの前に立った。小型カメラが発明され写真師が前線に向かうようになると、ヒトの目に触れたことのなかったさまざまなNew Worldを記録した写真が持ち帰られ、叙述家の書いた言葉に添えられ博覧会や新聞を飾った。戦争があり、小さな戦争としての事件がそれに続いた。次第にそれも色褪せた頃、写真は個人的なモチーフに向かい、写真師を写真家と呼ぶようになった。やがて個人的な感情も普遍的類型に整理され、もはや真に新しくオリジナルなモチーフが見当たらなくなった時、対象をどのように新しく見たかが重視され写真は言葉をまとうようになった。 以後、写真は驚きを失い言葉とともに反復された

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