K-30のテストを始めた頃には、その画期的な高速性が可能にする諸々の機能、とりわけレンズ収差補正の利き具合に感動を覚えた。歪曲に関してはよほど酷いマスターレンズを別とすれば完全に補正可能で、大概の写真はそれで事足りる。いずれこれが標準になっていくのだろうという直感はすでに現実化し、一方Raw記録したファイルも現像時に同様な機能を加えることが求められるようになるという直感も各Rawコンバーターソフトウェアの最新バージョンの方向性を見ると間違いないものと考えられる。
ただ、例えばK-30の場合は限られたリソースで高速撮影/演算を実現するために素子からの読み出しを12bit幅に落としていたりする。実現されている性能に不満はないが、電子処理によってカバーできることばかりではない。ボディについては高速性優先のK-30と画質優先のK-5II/K-5IIsを使い分ければよいが、レンズの場合、安く作っておいて電子的にカバーするとはいかない部分がまだ大きい。幸いPENTAXには優秀なDA limitedやDA*、FA*、FA limitedなどのシリーズがあるが、そのラインナップでカバーしきれないものを探すとなると途端にNikonやCanonなどに比べて選択肢がなくなるのも事実だ。
いま、B2判相当の対象をアーカイブ向けに複写する時の機材構成を考えていて、その条件をK-5IIsでクリアするために35ミリ換算40mm程度の画角で歪みの極力少ないレンズを物色しているのだが、選択肢としてはSchneider PC-SuperAngulon 2.8/28くらいしか見当たらない。純正のDA40mm ltd.では画角が狭いため手持ちの複写台ではB3までしか撮れず、おそらくDA35mm macro ltd.でも画角が足りないだろう。(第一DA macroは残念ながらお花用マクロレンズでディストーションが大きい)
もう一つの選択肢としては、この仕事用にNikon D800Eを購入し、PC-E Micro NIKKOR 45mm f/2.8D EDをレンタルする、あるいはテッサータイプのAi Nikkor 45mm F2.8Pを購入する、というものがある。PC Micro45mmならば性能は文句ないけれどもボディと合わせてめでたく60万円コース(ぐぬぬ)なので、仕事道具にカネを惜しむやつはアホとは思うものの、いろいろそろばん勘定が忙しい。そんなところです。この週末は(謎)
まぁPhseoneバックを使うシステムを組むと中古でも200万は下らないのでアレなんですが