デジカメwatchの記事で「DA40mm ltd.はテッサー型の光学系をとり」と書いたところ「DA40mmは4群5枚でテッサーより一枚多い!ちょっと調べればわかるような事ででたらめを書くな」とおしかりを頂戴したオオタカです。皆様お元気でしょうか(謎)
さておき。以下は弁明というか、事の顛末に対して少し解説を加えておこうと思い書き記すものであります。順序立てていいいますと、まず最初に、DA40mm ltd.が4群5枚でテッサーよりも一枚多いことは存じておりました。当初私自身もそれを根拠に「これはパンケーキだけれどもテッサーじゃないんだな」と考えたくらいです。しかし翻ってテッサーとはなにかと言うことを考えた場合、「トリプレットの3枚目の凸レンズを貼り合わせにしたもの」と言う事が可能です(乱暴ですが)
テッサーは、1枚目が凸レンズ、2枚目が凹レンズで、この二枚のあいだは空間をとり空気レンズとして作用します。そして3群目が凹凸の順で貼り合わせの凸レンズ。以上がテッサーの構成で、ここまでの話で言えばDA40mm ltd.は完全にこれに当てはまります。ただDA40mm ltd.の場合この後ろにもう一枚の凸レンズが入ります。そういう意味では厳密なテッサーではない事は自明です。この追加された一枚がなんのためのものかは光学設計の専門家ではないので確かなことはわかりませんが、おそらくはデジタルカメラ用レンズに必要とされたテレセントリック性を確保するためのものでしょう。
ではなぜ「テッサーである」と書いたのかと言えば、んーむ。基本的には勢いで言い切ってみたというのがあたっていますが、もう一面としてはパンケーキならみな同じ…みたいな話にしたくないという思いもあります。
パンケーキレンズが最近各社から発売されていますが、その中でもテッサーを特別視するむきがあり、テッサータイプに非ずばパンケーキに非ずとおっしゃるファンの方も多いような。実際に多くのパンケーキレンズはテッサーとは似ても似つかないダブルガウス型の設計をとっており、当然光学特性にもダブルガウスの癖を持っています。一眼レフ用の標準レンズはダブルガウスでは設計が難しく、大口径化するには50mmではなく58mmや55mmという長めの焦点距離をとる事が多いという事実があるのに、40mmのダブルガウス…ということです。
先に述べたように、私自身当初はDA40mm ltd.はテッサーではないと考えたくらいですが、少なくともこのレンズはダブルガウスではありません。よく言えば「変形テッサー」あるいはテレセントリックテッサーとでもいうべき設計をとっているように思われます。まぁいずれ歴史が評価するでしょうが(というかレンズ記事ではないので本分にこれだけの説明をいれられる見込みがなく怒られるだろうなと思いながら話を丸めました申し訳ございません)