急坂の上の二階建ての大きな住宅を、1Fをカフェを併設したヘアサロン、2Fをオーナーの自邸としてリノベーションした建物。
既存が木造+一部RC/鉄骨構造という構成だったのを生かし、木造住宅の雰囲気とRC/鉄骨の工業的な質感という対照的な要素が並立した不思議な空間として表現されている。周囲には大きな庭があり、サロンの鏡に向かうと森に囲まれているような感覚を受ける。改装された建物も成り立ちからして多くの要素を含んでいるが、一番の特徴はその大きな庭だろう。
建物の中に「庭」の要素を取り入れる試みは、設計を行なったtomito archtectureの前作に当たる「庭が回る家」から共通したモチーフでもある
撮影にあたっては「庭が回る家」からの連続性をふまえて庭と室内が渾然と一体になって見えるように写すことを心がけた。そのための手法として、ヘアサロンであることを示す要素でもある「鏡」に着目し、鏡への映り込みを利用して視覚的な広がりを見せることを狙った。