あーテステス
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恒例のなんちゃらダーの今年のお題が「2015年のベスト」ということなので、走り書きで俺にとってのベストをここに書いておこうと思う。
撮影仕事とは言えないのがアレだけど。twitterで直接リンクされただけでも473とかそのくらい行ったので、おそらくこのメディアの全記事を通してもかなり反応があったトピックだと思う。(いわゆるRT拡散botの投稿は一切ないのにこれだけのスコアを記録したのはたぶんこの記事だけなのではないかと)
いわゆるカメラバッグメーカーのカバンも愛用しているのだけれども、特にバックパックに関しては「絶対にそれを背負っているところをヒトに見られたくないようなダサいデザイン」のものばかりで普段使いには無理があったけれども、このCHROMEのNikoはとても気に入った。日々、愛用中
ただし、内装の仕切りクッションは全く撮影機材のことを理解していないと思われる設計でダメダメなので全部取り外し、メイン気室に Domke F-2用のインナー FA-240を、横向きに入れて使っている。
あと、webサイトで日々写真を掲載していくことを始めたのも、面倒くさがりの自分としてはよい成果だったと思う。
以上走り書きにて。まぁ全体として、方向性がようやく定まった佳い年でした。
最近A7Rが気になっており、webをさばくってダウンロードしたRawファイルを現像してみていたりする。
D800Eを使っていて感じる、確かに高精細だけどキレが今ひとつだなと思うのは、つまり、ローパスを位相反転させて重ねたという構造に由来するものなんだけど。でもK-3とK-5Ⅱsを比べた時に感じる、完全なローパスレスでもモアレ除去を画像生成のための演算に組み込むか否かの差による、キレの良さの違いみたいなものは当然A7RやD810にも現れてくるはず。
とりあえず、まともなレンズをつけて、きちんとピントが合っている時のA7Rが吐き出す絵のシャープさは大したものだと思う。しかし、なぜかwebに上がっているA7Rの作例のほとんどがピンぼけであることも、気になっている。特に初期に公開された sneak review の類いは「ネガキャンですか?」というくらいヒドいものが目につく。初期ファーム故だったのかもしれないけど
後で追記すると思う
VCC pro が発売されたのは、フルフレーム素子を積んだDSLRが各社から発売され、そろそろプロカメラマンには行き渡りつつあるという頃合いのことだ。
その頃のフルフレームDSLRの画素数は12MPから16MPが主流であり、すでに25MP~40MPのモノが登場していた中判デジタルバックには、解像度の点で到底及ばなかった。
一方、Adobe Photoshopにステッチやリマップ系の処理が組み込まれ、光学的な制約をソフトウェアでカバーするという考え方がエンスージアストの間に芽生え、フルフレームDSLRで撮影した画像をステッチして中判デジタルバックに遜色ない写真を得ようとする試行錯誤が始まったわけだ。
しかし、立体である被写体|奥行きを持つ空間に対し、精度の良いステッチングを行なうためには、三脚ごとカメラを移動させるのはもちろんのこと、シフトレンズを用いてレンズを平行にシフトすることでさえ、主点位置が変わってしまい、奥行きの整列に破綻が起きてしまう。
その不都合を解消するには、レンズ(主点)側ではなく、撮像面(後枠ないしはカメラ)側をシフトする必要がある。 そこで、後枠でズラシができるアオリ装置をフルフレームDSLRと組み合わせ、16MPを四枚接いで40MPに相当するデータを吐き出すことを主眼として企画されたのが、VCC proだったと見てよいだろう。
VCC pro の後枠シフトはスピンドルギアによる微動装置を備え、重量級のカメラを取付けた時にも、指先のタッチだけで精密なシフト操作を行なうことができる。
操作部は撮影者側から見て左側に集中配置される。シフト量はVertical shift(ライズ/フォール)が 15mm/15mm。Horisontal Shift(左右のシフト)が20mm/20mmとなっている。シフト量が少ないと思われるかもしれないが、フォーマットの前提がフルフレームすなわち24mmx36mmなので、横位置では画面に対して半分以上のシフト量があり、2x2の四枚接ぎを行なうには充分なアオリ量がある。縦位置の四枚接ぎでも不足ということはないだろう。
編集中(謎)
PENTAXから試写用のレンズをお借りする機会があった。(プロサービスのプログラムの一環として借り出したもので某ステマ記事とは無関係です)
興味を持っている方には説明の必要はないはずだが VCC proの概略について。VCC proは、中判一眼レフ用のレンズや大判用レンズ、あるいは引伸し/製版用レンズなどのような、イメージサークルに余裕のあるレンズを用いて、DSLRでアオリ撮影を実現する機材。VCCという名称は Vew Camera Converter の頭文字から来た略称で、ビューカメラに準じた蛇腹とフロント/リアスタンダードをもち、振り系のアオリをフロントで行ない、リアでズラシ系を受け持つ構成をとっている。
ただし、実際にはビューカメラほど自在にアオリが利くわけではない。何が利点かと言えば、後枠で上下と左右の二軸のズラシが利くので、TSレンズよりは構図の微調整がやりやすく、それに伴う主点の移動(世界観の崩れ)が無い。TSレンズが大判カメラでいうフィールドカメラにあたるとすれば、さしずめ VCC proはテクニカルカメラに相当する能力を持つと考えることができるだろう。
smc PENTAX-FA645 35mmF3.5AL[IF] @F11
smc PENTAX-FA645 45mmF2.8 @F11
† いずれもピントは、立てかけてあるベニアとウマに合わせてあります。
サーバーのスペックの関係で36MPのフル解像度データはアップできないので、6MPに出力したデータを掲げてあります。
まず、35mmの方はD800Eの素子の性能に十分見合った解像力があると言っていいだろう。それに対して45mmは少しキレが甘い。拝借したレンズはプロサービスの窓口で簡単なチェックを受けてはいるのだが、結果を見ると、45mmの方に色収差の分布状況の不自然さが見られるので、あるいは軽い偏心のために本来の性能がでていないかもしれない。
下に、それぞれの画角中央付近と画面端を切り出したものを示す。クリックして開くとオリジナル解像度で見ることができます。
detail: smc PENTAX-FA645 35mmF3.5AL[IF] @F11
detail: smc PENTAX-FA645 45mmF2.8 @F11
detail_peripheral: smc PENTAX-FA645 35mmF3.5AL[IF] @F11
detail_peripheral: smc PENTAX-FA645 45mmF2.8 @F11
おそらくこの45mmレンズは初代のPENTAX645(銀塩)用に設計された45mm F2.8の光学系をそのまま引き継いでいる。だとすれば30年前の設計の大口径広角レンズであり、焦点距離から考えても、35mmがランドスケープ用に精細な描写を狙った超広角であるのに対し、45mmはスナップやファッションポートレート向けの広角レンズと見るべきで、シャープネスを厳しく求めるのは酷なところがある。
FA645 35mmについては、見ての通り優秀なので特に言うべきことはない。シフトレンズとして考えるとディストーションがやや大きく、建築写真やインテリアには少々辛いが、例えばギャラリーの撮影などのような、空間描写そのものが主題ではない用途ならば十分使えるという印象を持った。ちゃぶ台の手前側が両レンズとも少し流れて見えるが、これは収差による結像の乱れというよりは被写界深度から外れてわずかにボケているせいだろう。そのボケが、広角レンズ故の堅さによって、流れのように見えているのだと思われる。平面のチャートを作って撮影すれば、周辺解像力ももっと正確に把握できるとは思うが、今回の目的はとりあえずギャラリー撮影用にどうかという味見だけなので、自然光でうちのオザスタをただ撮ってみた。いずれもっときちんとテストをしたい。(その時はカメラが別のものになっているかもしれないけど)